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まずは打席に入ろう

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[為末大学]【観客で終わるか、当事者になるか】
~バッターボックスを待つ人々~


バッターボックスに立つのは本当に大変だ。

熱い応援と残酷なまでの野次の中、
化け物じみた選手たちの中に放り込まれ、
少ないチャンスに最高の結果を出さねばならず、
結果が出せなければ冷徹な評価を下され、
あっという間にふるい落とされる。

ハンパな努力と覚悟では
居ることすら許されない場所。

でも、バッターボックスから見るあの風景は、
格別としか言いようがないんだなこれが。

私なんぞは幸運なことに、
憧れの舞台に立たせてもらったことがあるので、
この感じがとってもよくわかる。

やっぱし絵を描く人間にとっては、
お金をもらって描くとか、
本に載せてもらう。
果ては本を描かせてもらう。
なんていうのは一つの大きな到達点だと思う。

ただ自分の場合、
バッターボックスを目指していたわけじゃなく、
河原で草野球をやって遊んでいたら、
たまたま空前の草野球ブームが到来して、
それに目をつけて河原に視察に来た
プロ野球関係者にたまたま目をつけられ、
「お前、ちょっと打ってみな」
と立たされちゃった感じだったので、
覚悟もなく、能力も努力もハンパなまま
打席を消化してしまった感じだった気がする。

「打席に入ってから考えたのでは、勝負に間に合わない」
という言葉も、
本当にその通りだと思いました。

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しかしながら立つには立ったわけで。
それはすごく貴重な経験でしたね。

自分が観客側にいる時には本当に想像も付かないけれど、
いざグラウンドに立つと、そこはまったく違う世界。
テレビ観戦していて三振した選手や打たれまくる投手に
「このヘボ!それなら俺のほうが上手いぞ!」
なんて言っちゃう人たくさんいるけど、
それはそういう経験をしたことが無いって喧伝して回ってるようなものだ。
実際そこに立った経験があれば、
(野球場というわけじゃなくね)
投げるほうも打つほうもとんでもない化け物だということがわかるし、
それを体感しちゃうと二度とそんな言葉は吐けなくなると思う。

実際、自分で本を描いてからというもの、
書籍の類は立ち読みはおろか、
中古でも買えなくなったもの。(笑)
少々高くついても新品で買おうと。
あんな大変な思いで描いてるものには、
ちゃんと払わなきゃって。

結果が出ても出なくても、
当事者として胸を張って舞台に立つことはとても大事なことなのだ。


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