子供のハミガキ

ムスメはハミガキが好きらしい。
歯ブラシを持ってきては「ハッシ(歯ブラシ)!ハッシ!」とハミガキをねだってくる。

ムスメの歯はさすがに新品だけあって、
歯垢も歯石もステインによる着色もない、
青みさえかかっているような純白の歯牙である。
これだけキレイな歯だと、非常に磨き甲斐があるというものだ。
しかし考えてみると、自分以外の人間の歯を磨くなんて、
親にでもならなければなかなか出来ない経験だ。
自分の歯でさえ鏡越しにしか磨いている様を見られないのだから、
直視で歯を磨けるというのは非常に新鮮で面白い。
ついつい念入りに磨きまわって、軽い歯ぐきマッサージまで施すと、
ムスメはとてもくすぐったいらしく、ウフアハと笑い出してしまう。
その様子を見て、私もウフアハと笑う。
カシカシという研磨音と、父とムスメの笑い声。
よく覚えておきたい情景である。

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