ボーイ・ミーツ・スーツ【その4】
いよいよ視覚的、経済的に最も合致した一着を選択し、
スソ上げを依頼する。
以前にも書いたのですが、この「スソ上げ」というのはなんとも気恥ずかしさが付きまとう。
作業に必要な体勢とはいえ、
どう転んでも相手にひざまずかれているようで、
非常に居心地が悪い。
しかも、紳士服の場合はそうなのかもしれないけれど、
この店員さんは私の右足に両腕を巻きつけるようにして計るものだから、なんだかまるですがりつかれているような格好になってしまった。
申し訳ないやら、
居たたまれないやら、
くすぐったいやら、
そんな想像をしている自分が可笑しいやらで、
笑いをかみ殺すのに非常な苦労を強いられた。
足元に、しかも男性にすがりつかれるなんて、
(すがり付いてるわけではないんだけど。)
こういう機会を除いてはまずありえないだろう。
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