12月16日発売の「このブログがすごい!2006」制作に、
イラスト担当として参加しましたよ~。
お話があったのは11月の初旬。
編集主幹のオカベさんから依頼打診をいただきました。
「このブログがすごい!」
といえば、去年、初めてウチのサイトが紹介された書籍。
あの頃は掲載されるというそれだけで舞い上がるような気持ちだったのに、あれからたった一年で、今年は外部スタッフとして制作に参加することになろうとは…月日の流れというか、縁の流れの不思議さに、感慨を深くしたのだった。
さっそく翌日から、
オカベさんと電話やメールでの打ち合わせが始まった。
テーマは、
「一目で『コレがブログの面白みだ!』と訴えかけるもの。」
仕事の流れとして、
始めにラフを提出し、大体の方向性を決める。
言ってしまえばこのラフが仕事のほとんどであり、
「創意」が決まってしまえば案外作業は早い。
しかし、今回の仕事はその「創意」がなかなか決まらなかった。
私の絵は技術ウンヌンよりも表現の面白みと躍動感が売りなので、
それらを生かして目を引き、なおかつ万人に意味を伝え、興味を抱かせなければならない。
表紙というのは、その本を手にとってもらえるかもらえないかの瀬戸際であり、書籍の最前線なのだと思う。
いつもだと主線まで引いてラフ提出しているのですが、
なかなかに決まらない上に時間がかかってしまうので、
今回は下書きでのラフ連発となった。
来る日も来る日もメール、電話、ラフ。
まさに「ああでもないこうでもない…。」の繰り返し。
いつもの「言戯」イラストはまったく一人の仕事だし、
その他の仕事絵も、担当の方と2~3やり取りをして決まってしまうパターンがほとんどだったので、これだけ多くの意見をぶつけ合ったのは初めてだった。
妥協を許さないオカベさんに、
(ああ、これが本を作る凄みなのだな・・。)
と感心し、それを求められている自分が誇りに思え、嬉しかった。
非常に貴重な経験を積んでいるという手ごたえ、実感がある。
そんなやり取りが続いて、ついにラフが決まった。
私の出した案を土台に、デザイナーさんと編集部の方の意見を統合した案が採用される。
打ち合わせ開始から6日目のことだった。
ちなみに、
「表紙の驚いている人のところには、寿さんと相方さんを持ってきましょう!」
というアイディアはオカベさんのものである。
私と相方を知ってる人なんて、『言戯』の読者さんくらいのマイナーキャラなのに、いいのだろうか…?
と、かえってこちらの方が気を使ってしまった。
とにかくラフが決まった。
あとは作業だけである。
今回の仕事は2/3を過ぎたな~…。
…と思ったその時。
「ひとつ、思いついたのですが…」
と、オカベさんの一言。
「表紙を開いたところに『本トビラ』というところがあるんですけど、ここにもモノクロのイラスト入れてみましょう!」
ということになった。
けっこう、有無を言わさぬ勢いだった。(笑)
んもう、オカベさんたら、ゴ・ウ・イ・ン。
ちなみに、『本トビラ』というのは表紙をめくってすぐのページ。
そこに表紙の続き、「オチ」を入れようというアイディアである。
んん!
なるほど、それは面白い。
あれだけ手こずった創意も、
根っこが決まると意外に後は楽なもので、
私もノリノリで承諾した。
その日のうちに表紙をアップ、納品。
翌日に「本トビラ」イラストを納品した。
ともあれ、終わった~…。
と肩の荷に手をかけたその時。
再びオカベさんからメールが。
「裏表紙にカラーイラストを追加して、さらに章ごとのトビラにもモノクロイラストを追加してみませんか!?」
という。
メールの文面からほくそ笑むオカベさんの顔が見えるようだった。
要するに、表紙から裏表紙にかけて、
ネコとネズミが大暴れする本にすると、きっと面白いでしょう!!
ということである。
(いや~…このヒト、本作るの楽しくて仕方が無いんだろうなあ~…)
と苦笑いしつつ、
もちろん私も楽しくなってしまって、
自分の中に生まれたネコとネズミ(密かにジェムとトリーと名づけた)を、本の中に放してやることにしたのだった。
そうして、すべての納品が終わった。
当初、「表紙イラスト1点」という注文は、
お茶目な編集者とノンキなイラストレーターの化学変化により
カラーイラスト2点、モノクロイラスト5点となった。
図らずも書籍丸ごと一冊分のイラストを担当出来たというのは
自分のなかでもかなり貴重で楽しい経験だったし、
実績という自信にもつながりました。
宝島社さんありがとう!
オカベさんありがとうございました!
出来ればまたイラストのご用命がありましたらお声掛け下さい!
(↑営業)
というわけで、
ネコとネズミが暴れまわる
(私と相方もちょこっと出てる)
「このブログがすごい!2006」!
12月16日発売です!
是非是非書店で手にとって、最寄のレジまでご同伴くださいませ~。